ヘンリー・デイヴィッド・ソローと聞くと、なにを連想する人が多いでしょうか。
やはり、作家としての彼の方が有名かもしれません。
彼が自給自足の生活をした記録した「ウォールデン 森の生活」は今の時代も多くの方に読まれている作品です。
その一方で、彼は奴隷制度に抗議をし税金を払わなかったために投獄させられるという経験をしています。
思想家としてもかなりの支持を得ており、名を残しています。
作家でもあり思想家でもあったヘンリー・デイヴィッド・ソローはいったいどんな言葉を今の時代の者たちへ遺しているのでしょうか。
自ら体験をし、自身の信念を強く持ったヘンリー・デイヴィッド・ソローとはいったいどんな人物だったのか、まずそこから入ってみましょう。
ヘンリー・デイヴィッド・ソローとは?
1817年生まれ1862年没。
結核のため44歳という若さでこの世を去っています。
今の時代でいえば40代はまだまだ若者といってもいいでしょうが、1800年代ではどうだったのでしょうか。
昔の人は日本に限らず今のような長生きをする人の方が珍しかった思うので、早い死という感覚は同じだったとしても今とは違うように感じます。
とはいえ、まだまだ世にたくさんの作品を遺せると思えたので、残念であると当時の人も思ったかもしれません。
「ウォールデン 森の生活」が世に出たのは1854年のことで、亡くなる8年前です。
そう考えると作家生活もそれほど長かったわけではなさそうです。
自費出版の処女作を出したのが1849年ですので、そこから数えても13年という短い活動期間といってもいいでしょう。
ハーバード大学出身という高学歴の持ち主なのですが、生涯を通して定職に就いたことがないという異色の経歴持ちでもあります。
今の時代では高学歴であっても自由気ままに人生を謳歌しているのも不思議ではありませんが、1800年代の時はどうだったのでしょうか。
当時の時代背景と照らし合わせて彼の人生を追ってみるのもいいかもしれません。
しかし、定職に就かなくても奴隷制度やメキシコ戦争に抗議の声をあげ行動した、その意欲は見習うべき感じます。
今の時代はそうやって声をあげ行動起こす人はあまりいませんよね。
お国柄もあるかもしれませんが。
では、そんなヘンリー・デイヴィッド・ソローはどんな言葉を我々に遺してくれたのでしょうか。
ヘンリー・デイヴィッド・ソローの名言①
「わずかなものしか持たずに生きられる人ほど豊かである」
「With having only a little one, the person who can live is abundant.」
物欲がありすぎる人はよくないというようなことを聞いたことがあります。
物欲は自分のためであり困っている人に手を差し伸べていないからだ……という意図らしいです。
この言葉もそれに近いことを言っているようと受け取りました。
今の時代であれば便利な物が増え、より生活していく中で楽することができます。
今の方が物を減らして生きていくことが可能な気がするのですが、なかなか実行はできません。
人とはそういう生き物なのだと思います。
だからこそ、わずかなものしか持たずに生きられる人は、気持ち的なゆとりなどもあり豊かであると言い切れるのだと思います。
ヘンリー・デイヴィッド・ソローの名言②
「貧しくとも、君の生活を愛したまえ」
「Poorly, if, love your life.」
身の丈にあった生活をしていれば自分の生活が貧乏とは思わないと感じます。
しかし人はないものを強請り求める性質をもってしまっています。
上を見ればきりがなく、他人の生活水準を羨ましいと思ってしまえば、気持ち的に清々しさが陰っているように感じます。
おそらくないものねだりをして誰かのことを羨ましく思うより、自分の生活状況を愛することができればおのずと気持ちの陰りも減り、人として輝いて見えるのだと思います。
なかなかできることではありませんが、できる人は自身に自信を持っている人なのだと感じます。
そういう人は自然と輝いて見えますよね。
ヘンリー・デイヴィッド・ソローの名言③
「反抗の精神こそが、自由の土台である。従順さは奴隷の土台に違いない」
「Opposed spirit is a free foundation. Obedience must be slave’s foundation.」
反抗を擁護しているのではなく、間違っていることにはっきりと言い返せること。
自分の意見を言えることは何より自由であると思います。
意見することを許されず、または自分から閉ざし従順に屈してしまうことは、独裁を認めるということなのだと思います。
奴隷制度が当たり前のようにあった時代、奴隷はどういう立ち位置だったでしょうか。
意見を自由に言えず独裁を認めてしまえば、またその時代がやってきてしまう危うさを危惧した言葉だと思います。
今の時代で奴隷という言葉はほぼ耳にしませんが、意見を言えない関係はそれに酷似していると思います。
つまりは政治然り、会社の上下関係然り、学校生活も……あらゆる場所で発生する可能性を指摘している言葉にも受け止められます。
ヘンリー・デイヴィッド・ソローの名言④
「自分の足で立っている者は、決して孤立していない」
「The person who stands up by his foot is never isolated.」
自分の足で立っているとはそのままのことではなく、自分の意思をしっかりと持ちそれに向かっている人という意味かと思います。
目標に向かって進んでいる人は自信に溢れている場合が多いと思います。
また、そういう人のことは応援したくなりますよね。
一見、その人の周りには誰もいなくいつもひとりだったとしても、いつも誰かを伴っていなければ孤立というものでもありません。
群れをつくればいいというものでもありません。
目に見える状態だけがすべてではないという意味にもとれます。
広い目で見れば決してひとりで孤立しているわけではなく、誰かが見てくれているし直接声をかけずとも応援してくれている。
そう思ってもよいと思います。
ヘンリー・デイヴィッド・ソローの名言⑤
「胸に思い描いたままの人生を生きよ」
「Live through the life which is still imagined in a chest.」
思い描いたままの人生を生きるのはとても大変だと思います。
究極なことを言えば、誰かの言いなりになっていれば一番楽ができると思います。
苦難に当たれば他人のせいにできますし。
しかし思い描いたままに生きるということは、すべての責任を自身が背負うということです。
良いことも悪いこともすべて。
一見自由で憧れる生き方ですが、きっと一番つらくて、それでいて最高な人生。
なかなかできることではありません。
しかしそういう気持ちを持って生きようと目標をたてる分にはやり遂げられるのではないでしょうか。
小さなことでもいいのです。目先の何かでもでもいいのです。
なにかひとつでも、思い描いた通りにことが進めば、それはそのように生きたと同じだと思います。
まとめ
ヘンリー・デイヴィッド・ソローの名言は多々あり、その中から人生を生きることについての名言をまとめてみました。
言うのは簡単だけど実行するのは大変そうなお言葉ばかりですね。
しかし、奴隷制度やメキシコ戦争に抗議をしたという体験を持つ彼が言うからこそ、その言葉に重みと大切さが込められているのだと思います。
きっと自由に生きることが難しい時代だったのかもしれません。
今の日本のように好きに意見できるような政治体制ではなかったのかもしれません。
その中でも自身を信じ行動をしたヘンリー・デイヴィッド・ソローの言葉だからこそ、今の時代でも必要とされ、またその言葉に励まされる人がいるのかもしれませんね。
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