名言を遺す人はなにも歴史に直接関与したり、今でも活用できるものを発明したり、難病を治す薬を作ったりする人だけではありません。
もっと身近に感じられる存在、たとえば音楽関係、しかもクラシックなどではなく若者にも親しまれるジャンル、そうですね……パンク・ロックなんていうのはどうでしょうか。
パンク好きの人ならご存知の方も多いと思います、セックス・ピストルズ。
シド・ヴィシャスが遺した名言を取り上げたいと思います。
若くして亡くなった彼はいったいどんな言葉を遺しているのでしょうか。
彼はとてもカリスマ性のある人でしたが、亡くなり方は薬物乱用という悲しいことでした。
しかしカリスマ性がある彼の遺した言葉です、きっと当時の若者、そして今の若者の心に残る言葉だと思うのです。
シド・ヴィシャスはなぜ南京錠をつけている?
シド・ヴィシャスのトレードマークと言えば、ラビット社の南京錠でしょう。
彼は南京錠のネックレスとリング・ベルトを愛用していました。
今でもシド・チェーンと呼ばれ愛好者がおります。
偽物まで出回っているようなので、その人気ぶりが伺えますね。
さて、シド・ヴィシャスはなぜ南京錠のネックレスをしていたのでしょうか。
実は生前、恋人のナンシーから贈られたものだったのです。
はじめての恋人、その彼女からの贈り物を大事にしていたから……というのが理由です。
こういう話を聞くと、女性ならキュンとしてしまうのではないでしょうか。
しかし、ずっと大切にしたかったというわけでもないようなのです。
恋人が亡くなった後、そのネックレスを外そうとしたのですが、南京錠の鍵を彼自身が持っておらず、外すことができなかった……という後日談があります。
鍵がなくても外そうと思えば道具を使うなどできたと思うのですが、それをしなかったのです。
なぜでしょう。
そこにはやはり恋人を想う気持ちが残っていたからではないかと思います。
シド・ヴィシャスの名言①
「俺達はホントは優しくて親切なんだ。でも、誰にでも獣のような側面はあるだろ?」
人は誰でも善と悪が備わっているといいます。
彼の言う優しさは善意であり、獣な部分が悪なのでしょうか。
それは少し違うと思います。
優しさは善意かもしれませんが、彼の言う獣のような側面は猛々しいという表現の意味に近いと思います。
もっとわかりやすく言えば、雄々しいとか男くさい面があるということでしょうか。
優しいという意味は男としてというよりは人としてと捉えた方がしっくりくるような気がします。
ふたつの側面のオンオフができるからこそ、こうやって言葉で言えるのだと思います。
後者の獣部分だけを引きずるようであればちょっと危険ですよね。
誰だって二面性はあるので、それを恥じる必要はないし、隠す必要もないと思います。どちらもあなた自身であるのですから。
シド・ヴィシャスの名言②
「俺はたくさん年を取る前に死んじまうと思う。何故だかわからないけど、そんな気がするんだ」
シド・ヴィシャスは21歳という若さで亡くなっています。
まさに予言ですよね。
ただ、誰でもなぜそう感じるのかわからないものの、ざっくりとなにかを悟る瞬間があると思います。
ずっと覚えていることもあると思うし、すぐ忘れてしまうこともあると思います。
たとえ話ですが、よく「この人と結婚するような気がしていた」というような話を聞くことってあると思うのです。
初対面でそう感じたとするならば、まさにシド・ヴィシャスが自身の最期を悟ったのと似ているように感じます。
シド・ヴィシャスの名言③
「大人達には知性なんてものはまるで無い。子供であることをやめるってことは、物事に興味を失うということなんだ。年齢なんて関係ないんだ。たとえ99歳でも子供でいることは出来る」
日本では年齢で物事を決めつける風習が根強く残っています。
今でこそ、結婚適齢期なんて言葉は出なくなりましたが、以前は二十代半ばともなれば男女ともに独身者は肩身の狭い思いをした時代でした。
今でも何かをはじめようと思っても「もうこの歳ではじめたって」と諦めてしまう人もいると思いますし、周りから「恥ずかしいからやめて」と説得させられたという経験の人もいると思います。
そんな時は彼のこの言葉を思い出してください。
興味を持つことを無くすということは、いくつになっても自身の成長を止めてしまうということです。
それは単純に歳を重ねるという意味ではなく、好奇心や知性といったものです。
筆者もよく言われるのですが、なにかを始めるのに年齢は関係ないと……
子育てがひと段落してから子供の頃習いたかったビアノをはじめた、バレエをはじめたという人も少なくありません。
またいろんなことに触れ合う、興味を持つことは若さを維持することにもつながると思いますし、好きなことをはじめた人は生き生きとしています。今はまだ若いという方も、20年30年後も今の好奇心を忘れずにいていただきたいと思います。
シド・ヴィシャスの名言④
「俺はマヌケなサウンドチェックなんかしない。俺にはそんなもの必要ない、俺はシド・ヴィシャスなんだ!」
世の中、形式的なことなんで……とか、一応規則なんで……と言ってろくに対応もせず書類だけを埋める、そんな場面を見たりすること、あると思います。
最初は誰だって真剣に取り組んだことでしょう。
しかし毎回のことが続き慣れてくると体裁さえ保てればという怠慢が生まれます。
そんな気持ちでする行動にどんな意味があるのでしょう。
もし、あなたの仕事に対しよく中を確認することなく右から左に流されていくような扱いをしたのなら、そんな上司の確認など必要ないですよね。
今まで培ってきた自分の能力と実績を信じ、行動してみる価値があると思います。
また、そんな上司の下で働いてもつまらないですよね。
自分に自信を持てるようなら、そういった怠慢な態度をする人にガツンと言ってみるのもよいかもしれません。
シド・ヴィシャスの名言⑤
「俺は自分のやりたいことをしたいんだ。世界中がそれを好きじゃなくても全然構わない。もし一枚も売れなくったって、それが何だっていうんだ?」
仕事として自分のやりたいことをやる、それで成功すれば誰もが認めざるを得ないとなるでしょう。
しかしやりたいようにやって好かれ、そして売れるでしょうか。
世の中そんなに甘くはありません。
でも彼は敢えてそう言ったのには、売れるために自分を偽りたくないと言いたかったのだと思います。
これはどんな職や立場にも言えることと思います。
他人の目を気にして偽り、その場限りの上っ面な態度と言葉では誰にも認められませんし、心に響きません。
部下に嫌われたっていい、友達がいなくなってもいい、自分に嘘ついてまで他人に合わせる、媚を売る、その言動を一度でもしてしまえばずっとそれを続けなくてはならなくなると思うのです。
自分を信じて行動すれば、見てくれている人はきっとあなたの良さを理解してくれます。
シド・ヴィシャスが今もなお人気があり多くの人が認めているように……
まとめ
シド・ヴィシャスの南京錠の話、そしてふたりの関係を知るとどうしても「NANA」を思いだしてしまいます。
気になって確認してみましたら、RENとナナはシド・ヴィシャスをモデルにしたようなのです。
そういえばとふたりを並べてみると「なるほど」と納得できるものも多く、筆者が個人的に好きな作品なので、より一層シド・ヴィシャスのことも知りたくなりました。
おそらく、双方に精通しているというファンはそう多くないと思います。
けれどこれをきっかけに、あまり知らなかった方にも興味を持っていただければと思います。
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